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パネルディスカッション「健診結果の読み方」
           血圧から見えてくるもの
                                          東京内科医会理事,綾瀬クリニック
                         吉 田 幸 子
   健診の意義
 メタボリックシンドロームを強く疑われる方と予備軍と思われる方を合わせると40歳以上では男女ともに多くなります.本年4月よりメタボリックシンドロームの考え方と診断基準をもとにした特定健診,保健指導が始まりました.すなわち,生活習慣を変えて内臓脂肪を減らすことで,危険因子(高血圧・高血糖・高脂質症)を改善す
るということです(図1).
 まず,医療保険者から約5,600万人が対象者と試算される40歳から74歳の加入者に受診券が送られます.受診券と保険証を持って住居区の医療機関で健診を受けることになります.健診後,住居区により形式は異りますが,検査結果の説明があります(表1).
   高血圧=サイレントキラー
 これから,危険因子の1つである血圧の数値の読み方,次に高血圧はなぜいけないか,健診後の対応,家庭血圧測定について話します.血圧の保健指導判定植は収縮期130mmHg以上,拡張期85mmHg以上です.受診勧奨判定値は140/90mmHgですから,正常値は130/85 mmHg 未満ということです.ここで保健指導値というのは,腹囲が,男性85cm以上,女性90cm以上またはBMIが25以上の方の判定基準値の追加リスクの1つになるということです.すなわち,血圧130mmHg以上または拡張期85mmHg以上又は薬剤治療を受けている場合は指導対象者となります.この血圧値は日本高血圧学会の

血圧分類から決まったものです(表2).特定健診の基準は至適血圧と正常血圧の部分で,正常高値血圧の部分が保健指導対象者,軽症高血圧以上の部分の方は受診勧奨対象者となりますので,大変厳しい値と思います.
  では,高血圧を放置しておくと何故いけないかという説明をします.日本人にとって高血圧は身近な病気です.しかし,高血圧で何か症状があって辛いということは聞きません.高血圧はサイレントキラー(静かなる殺し屋)の別 名があるように自覚症状に乏しく,命にかかわる脳や心臓の病気の発症につながった時には「手おくれ」になる場合が多いという特微があります.
 日本人の三大死因は,ここ4半世紀ずっと1位は悪性新生物(癌)で約3割,2位が心臓病,3位が脳血管疾患で,2位と3位を合わせると28%で1位と同じです(図2).この心と脳は腎を含めて,血管で出来ている臓器で動脈便化=血管の老化が起こりやすく高血圧が関与しています.また,末梢の小動
脈が硬くなると血管の抵抗が大きくなり,血圧が上昇して心筋肥大となり心不全になります.高血圧を治療するのは,そのような合併症を未然に防ぐためなのです.
   血圧の測定
 基本はもちろん血圧の測定です.血圧はいろいろな原因で時々刻々変化しています.病院や健診という日常生活と異なる場で緊張して血圧が上がってしまう白衣高血圧といわれる方.健診では高血圧でないのに職場や早朝に血圧の上がる仮面高血圧という方がいます.健診でみつかりにくい,したがって放置されてしまう仮面高血圧は危険ですが,白衣高血圧は心配いらないでしょうか.その判断の助けに家庭血圧測定が大切です.最近は,家庭血圧計が普及し,信頼度も上がってきていますから,保健指導対象以上の方には是非日常生活の血圧測定をおすすめします.
 家庭血圧測定の注意は,トイレをすまして暖い室内で坐位で測定して下さい.血圧計は上腕にカフを巻いて測るタイプのもので,カフの位置が心臓の高さになるように調節して2〜3分待って緊張をとって測定して下さい.できれば,朝晩2回,時間がなければ朝起床1時間以内で,朝食,服薬前の測定をおすすめします.家庭血圧測定は降圧剤服用の方を含めて,自身で生活改善の効果がわかりますので習慣にして頂きたいと思います.しかし,血圧値を自己判断して降圧剤を減らしたり中止したりしないようにお願いします.
 
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