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     第29巻1号 ・2013年 8月
   医師の職域

東京内科医会 理事 依 藤   壽


  昨年4月から医療機関で発行される処方箋に一般名の薬剤が1つ以上含まれていると、診療報酬に2点の加算がつくようになった。今では多くの医療機関で受け入られており、違和感は全くなくなった。思えば7年程前、私の所属する地区の中核の病院から、一般名処方を実施する旨がわが医師会との連絡会で報告された。従来からのジェネリック使用促進についての厚生労働省の通達を遵守したためである。この報告はわが医師会に波紋を巻き起こした。その概略は以下の如くである。
 最大の争点は医師のもつ処方権についてである。「我々はジェネリック使用には反対ではなくむしろ英断を歓迎するものである。しかし一般名ではなくジェネリックの商品名を指定して記載していただきたい」と申し入れた。すなわち一般名で記載することは医師のもつ処方権を放棄することにつながり、薬剤の選択について薬剤師に下駄を預けることになると指摘した。これに対して病院側は「ジェネリックの知識がない」、「ジェネリックを指定したとしてもその薬剤が保険薬局にない場合は患者に迷惑をかける」との回答があった。そして時の流れは一般名処方へと加速していった。
 他にも危惧されることがいくつかある。一例をあげると、生活習慣病予防の目的で、薬局でも血糖値、血算などの簡易検査が、希望者に対して実施できるような動きがあるという。たとえば商店街のチェーン薬局で、医師の不在のもとに上記の検査が実施され、結果を判定され、指導されてしまうことが起こりうる。
 このように我々医師が気づかないうちに、医師の医行為が他の職種でも可能になっていく。たとえ条件付きで可能になっても、後では当然のことになり、さらに拡大解釈されてしまう。したがって、我々はこのことについて十分目を光らせる必要がある。




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