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     第30巻3号 ・2015年 4月
   2025年に向けて思うこと

東京内科医会 常任理事 須 藤  秀 明


    昨年を振り返ってみますと、とても自然災害の多い年でありました。2月の関東地方の20年ぶりの大雪から始まり、各地で起きた豪雨による灌水被害や土砂災害、9月には御嶽山の噴火で多くの犠牲者が出ました。その後も、台風の列島縦断によって各地に被害を与え、11月には長野県北部で震度6弱の地震災害、12月には爆弾低気圧が再び各地に影響を与えました。特に御嶽山の噴火は、日本が110もの活火山を有する火山列島であることと同時に、火山災害についても、改めて考えさせられることとなりました。
 また長野県北部の地震においてたくさんの家屋が倒壊したなかで、死亡者が全く出なかったとのことであり、新聞は「奇跡」と表現しておりました。しかしながら、これは決して「奇跡」ではなく「地域のつながり」と「自助・互助」の重要性が示された結果であると思われます。「向こう3軒両隣」を中心とした町内会のコミュニティーを個々が構築していくことで、互いに助け合うことが「互助」であり、さらにこれは災害時だけでなく「高齢者の孤立対策」や「認知症患者の支援対策」、そして2025年に向けての「地域包括ケア構築」の重要な要素でもあります。「地域包括ケア」では「自助・共助・互助・公助」という言葉で示されているものであり、「自助」とはセルフケアと介護予防も含めて自分のことは自分ですることであり、「共助」は介護保険に代表されるリスクを共有する者(被保険者)どうしの負担による福祉サービスのことであり、「公助」とは生活保護や一般財源による税の負担であります。また、「互助」とは共に助け合う「共助」と共通点もありますが、費用が制度として発生しない地域のボランティア活動や住民組織としての活動のことであります。国は「地域包括ケアの構築」には「互助」の要素を必要不可欠としていますが、一昔前の東京なら、映画「オールウェイズ三丁目の夕日」のように当たり前のこととして近所づきあいがありました。しかしながら、時代とともに生活スピードが加速し、プライバシーが尊重され、家族の形態も変化し、独居生活が増える都市部においては、転居しても町会に入らない、マンション等の自治会にも一度も顔を出さない人が多くなっている現状です。したがって、簡単に「それでは明日から」というようなわけにはいかないでしょう。だからといって、「昔に戻れ」というのも無理な話であり、われわれも今の生活形態を良しとして受け入れてきた責任でもあると思います。いずれにしても自分も15年後には後期高齢者の仲間入りをするわけで、こうなったらなるべく介護の世話にならないように「自助」として「セルフケア」を心掛け、介護保険制度だけでは賄えない場合に民間サービスを購入していくだけの蓄えを備えておくに越したことはないようです。



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