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     第31巻1号 ・2016年
   療養費同意書を考える

東京内科医会 常任理事 加 藤  匡 志


   最近、療養費同意書を書いてくれるように患者さんから頼まれることが多くなってきているように思われるが、みなさんはどうだろうか。私の場合、以前は少なかったので多少疑問をもちながらも書いていた。整形外科医でもない内科医の自分が書き続けていいのだろうか。この頃、いろいろ話題にもなっているので、調べてみた。
 保険点数便覧では療養同意書交付料100点で「健康保険法第87条の規定による療養費(柔道整復以外の施術に係るものに限る)に係る同意書を交付した場合に算定する」と書いてある。さらに、「原則として当該疾患に係る主治医が、診察に基づき、療養の給付を行うことが困難であると認めた患者に対し、あん摩・マッサージ・指圧、はり、きゅうの施術に係る同意書または診断書を交付した場合に算定する」とある。自分の場合を振り返ってみると、内科疾患で通院している患者さんが腰が痛い、肩が痛いときなど患者さんに頼まれて痛み止め等を処方してきた。それでほとんどの患者さんに満足していただいていた。それでも治らないときは近所の整形外科の先生に診てもらうように話していた。すると患者さんは整形外科へ行く人もいれば、なかにはあん摩・マッサージ・指圧、はり、きゅうの療養院へ行く人もいる。それはそれで患者さんの自由であるからいいだろう。しかし、保険であん摩・マッサージ・指圧、はり、きゅうを受けたいからと患者さんが療養同意書を書いてほしいというのは明らかに筋が違うと思う。しかし、以前は療養同意書を書いてほしいという人はあまりいなかった。最近は明らかに増えている。患者さんに聞いてみるとケアマネージャー等に勧められることがあるようで、患者さんとしては何のためらいもなく同意を求めてくる。また、「はり、きゅうの療養同意書を書くと同一疾患でかかっている医療機関での保険診療との併用は認められない」とある。これではよく考えて書かないと保険診療で査定されてしまう。さらに療養担当規則第17条では「保険医は患者に疾病又は負傷が自己の専門外にわたるものであるという理由によって、みだりに施術業者の施術を受けさせることに同意を与えてならない」とある。これでは内科医としてはいい加減な気持ちで療養同意書は書けない。しかし、患者さんが脳梗塞等で麻痺があり、関節の拘縮を防ぐためにマッサージをしていただきたいときはあるように思うし、実際、老人ホームにて脳梗塞後遺症の患者さんに療養同意書を書いているが、これはいいだろう。私のような整形外科的疾患を診ていない医者は、肝に銘じて本当に主治医である疾患に対して責任をもって療養同意書を書いていこう。とはいえ、いつも診ている患者さんに頼まれると非常に断りづらいのが現状であるが、それでもよく説明して納得してもらおう。



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