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     第31巻2号 ・2016年
   平均寿命と健康寿命

東京内科医会 理事 皆 川  一 孝


   日々の外来診療にて20年以上のお付き合いとなる患者さんも少なくない。最近、足腰が弱り通いきれなくなってしまった、認知症が悪化し施設に入所したなどの声を聞く。お年をみると80歳台や90歳台とかなりの高齢であり仕方無いかとも思う。一方、毎朝ラジオ体操に公園へ通っている、週1回はゴルフを楽しんでいるという方々もいる。寿命が伸びてきているのは実感しているが、元気に生活できている人も増えているのであろうか。
 7月30日厚生労働省調査にて本年度の日本人平均寿命が報告された。それによると男性80.50歳、女性86.83歳と男性が世界4位から3位へと浮上し、女性は3年連続世界一となった。調査によると平成72年には男性84.19歳、女性90.93歳まで伸びると予想されている。しかし、「ヨカッタ、ヨカッタ!」と喜んでばかりはいられない。寝たきり、認知症などのため介護が必要な状態では100歳まで生きたとしても嬉しくはない。
 WHOが平成12年に打ち出した概念、健康寿命:平均寿命から介護(自立した生活ができない)を引いた数は、平成25年日本人男性71.11歳、女性75.56歳である。何と男女ともに世界1位。平均寿命と健康寿命の間には、男性で約9年、女性で約11年の差が有り、これを詰めることが最後まで健康で生き生きとした生活を送れることとなる。
 自立度の低下や寝たきりの原因の第1位は「運動器の障害」であることが判明した。それにより移動機能の低下した状態を「ロコモティブシンドローム(略称ロコモ)」という。国民の4,700万人がそのリスクを保有しているとも言われ早急な対策が望まれている。適切な運動習慣を付ける、やせ過ぎと肥満を防ぐ、骨粗鬆症や変形性関節症・変形性脊椎症を放置しないなどが必要である。整形外科医のみならず内科医にも対処が期待される。メタボややせ過ぎを防ぐ正しい食生活の指導、栄養バランスの改善など外来における教育もロコモ予防となろう。
 来年10月には第30回日本臨床内科医学会が新宿で開催される。テーマは、真の健康長寿社会を目指して―今、実地内科医がすべきこと―。学会を盛り上げ成功させることは勿論、更に詳しく学習し知識を取り入れ、すぐにでも実践して行きたいと思う。



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