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     第32巻3号
   地域の開業医としてなすべきこと

東京内科医会 理事 武田光史


  私の医院は、東京都目黒区に存在し、この地での開業は10年目となります。目黒区での開業以前は、千葉県茂原市で開業しており、あわせると開業医生活は14年間となります。
 振り返ると、地域の開業医に求められることは、その地域や時代によって変わっていくかと思います。千葉時代は、一般の医院が閉まる午後6時から、輪番制の夜間救急が始まる午後8時までの間、何とか対応して欲しいと地元の消防本部にいわれ、診療時間を午後8時までとして、無床診療所ですが、救急患者の診察を積極的に行って参りました。記録をみると、年間200件ほどの救急車の受け入れ実績がありました。転院搬送の必要な患者さんには、モニターを装着して処置室で経過観察し、外来終了後、救急車に同乗して1時間以上かけて他院に搬送したりしていました。
 東京都目黒区に移転後は、有床診療所として再スタートしましたが、救急車受け入れはほとんどなく、救急医療から生活習慣病、小児医療、在宅医療、目黒区特定健診などに診療の中心は移りました。なかでも早期から、機能強化型在宅療養支援診療所として在宅医療も積極的に取り組んで参りました。人口の高齢化率が大きな社会問題となり、「2025年問題」、「在宅療養」、「地域包括ケアシステム」などといった話題が、多く目につくようになりました。
 いくたびかの診療報酬改定により、病院での入院日数の短縮は余儀なくされ、「地域包括ケアシステム」構築のため、在宅療養が注目されるようになりました。介護保険、医療保険のサービスの融合、多職種連携が提唱され、地域の「かかりつけ医」の存在が重要視されるようになりました。「日医かかりつけ医研修制度」は、「かかりつけ医」を制度として具体化する第一歩であります。多くの開業医の先生方にとっては、今までご自分でやってきた日常診療が評価されるとお考えになる一方で、特別なことをやっているわけではないという思いもおありかと思います。
 最近の人口の高齢化問題と並んで、社会問題化しているのが保育園の待機児童問題です。この問題は久しくありましたが、「待機児童ゼロ」を目指して、ようやく国は本格的に対策に乗り出した感があります。現在の日本は、共働きのご両親が働くにはきわめて厳しい社会環境です。出生率の低下、日本の生産年齢人口の低下をまねき、将来の日本の衰退が必至です。この問題に医療機関としてできることは何かも考えて参りました。そうした中、平成29年度から目黒区における病後児保育施設事業者として、当法人が採用されました。現在5月のオープンに向け準備を進めています。これからの時代の、地域の開業医に求められる姿は、その時代の国民のニーズに敏感に応えていく、そういった姿勢ではないでしょうか。 




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