第27巻−1号
- 東日本大震災
東日本大震災
3月11日に発生した東日本大震災で犠牲になられた方々に哀悼の意を捧げ、被災をされた皆様に心からお見舞い申し上げます。 この大震災で、死者・行方不明者は合わせて2万8千人を超え、震災発生より3ヵ月以上経過した今も各地に避難した被災者は約10万人もおり、約2万以上の人が依然として避難所で生活を続けているといいます。また、被災地のがれきは6割以上が撤去されずに放置され、被災地は復興どころか復旧もままならない状況が今も続いています。その他、原子力発電所の事故は収束のメドが立たず、政治は停滞を続けており、被災地の本格的な復興への道筋は見えていません。
今回の大震災では、よく「想定を超えた…」という言葉を耳にしました。確かに我々の多くが、この大地震、大津波を目の当たりにして思ったことは、「信じられない。」であったはずです。つまり全てが自分達の想定を超えていたわけです。同時に、津波によって我々が長い年月や労力をかけて築いてきたものが、一瞬のうちに失われたのを見て、本当に自然の力に対する人間の無力さを感じた瞬間でもありました。
夏になり冷房の需要が増えてきた最近、節電によって快適さ・便利さは以前に比べ、かなり失われています。しかし、この快適さ・便利さばかりを追求してきた我々は少し反省し、被災者や被災地のことを思い、我慢が必要でしょう。また今回の震災では、直接的にはほとんど被害がなかった東京も、通信網の停止や停電等によりパニック状態に陥りました。これは我々が想定していた、災害時の対応では全くといって良いほど、役に立たなかった証拠でもあります。我々はこれを契機に、もう一度、大災害に対するあり方を考え直し備える必要があるでしょう。これは医療体制や医療援助においても同じであり、今回の対応を検証、反省し今後に役立てなければなりません。
震災より4ヵ月が経過した今、国民の震災に対する意識が徐々に薄れつつある気がします。これは一向に進まない政府の復興計画によるところもあるのかもしれませんが、国民の皆さんには、震災当時に見せた世界各国から絶賛された日本人の団結力・秩序を、今後もさらに強め、被災地・被災者の復興支援を続けてもらいたいと思っています。
最後に、今回の大震災の最大の問題である放射能の問題について、専門家がいろいろ論じていますが、1日も早く地域の方が安心して生活できるようになることを願っています。
- 抗ヒスタミン薬の実践的使用法幸野 健
- 2
- 胃部不快感の病態と治療―機能性dyspepsia(FD)の実地診療―
- 6
- 過敏性腸症候群における下痢の病態とその合理的治療
- 10
- 生活習慣病外来患者における心筋バイオマーカー(トロポニンT、NT-proBNP)と高感度CRP測定の意義について
- 14
- 外来診療におけるクリニカルパス導入の試み ―過敏性腸症候群の効率的な診療とQOLによるアウトカム評価―
- 22
- 外来での高齢者の筋トレについて
- 25
- [東京内科医会 第24回医学会 抄録]
- 31
- 特定健診とLDL-C直接測定法
- 35
- 皮膚科医からみた、他科医による皮膚疾患の診療における問題点
- 41
- 皮膚外用薬の特性
- 46
- 帯状疱疹
- 52
- 薬疹
- 55
- 皮膚真菌症・皮膚細菌感染症
- 61
- アトピー性皮膚炎―アレルギー疾患―
- 68
- 先輩医師をたずねて(7)
- 73
- 短歌
- 74
- 理事会報告
- 76
- 会員の動向
- 81
- 投稿規定
- 82
- 編集後記
- 83