ウイズ コロナ
2020年1月に国内で初めての新型コロナウイルス感染症患者が確認されてから2年7ヵ月が経過した。7月に入りオミクロン株のBA.2系統から感染力のより強いと言われるBA.5系統等への置き換わりが進み、コロナ患者が急増し第7波へ突入した。東京都の1日の新規感染者数は、第6波のピークが2月3日で2万663人であったが、7月28日には4万人を超過した。発熱外来という前線で対応していると、身をもって患者数の急増を感じる。始業前から電話が鳴り止まず、受付開始30分後にはその日の発熱外来枠は満杯になる。その後も問い合わせは止まず、夜の発熱外来時まで事務職員がひたすらお断りを続ける。その間、緊急連絡にも電話は使用できず、電話回線の故障を心配した発熱患者が普通外来時間に来院してしまうなどの混乱も起きている。他の施設で疲労が溜まり医師や職員が感染し診療不能となり、更にこちらへ問い合わせが増えるといった悪循環に陥っている。午前午後の診療後に患者登録を行うのだが、この毎日の地味な作業がボディブローのように体力・気力を奪っていく。申請が至難な割に点数の低い外来感染対策向上加算をいただくものの、年末に大幅に下げられたPCR・抗原検査の点数などのダメージを負った身体に、国からは効率を良くしてもっと発熱患者を診るよう催促される。先日、負担軽減のために全国知事会と日本医師会から国へ患者全数報告の見直しが要請された。そのためにはラゲブリオ、パキロビッドといった経口コロナ治療薬の早い供給安定化が必要となろう。療養中に体調が悪化しても119番が繋がらず、繋がっても搬送先が決まらず救急車が動けないという医療提供体制が逼迫している今、臨機応変に柔軟な対応を取れる医療システムの早急な構築が必須である。コロナに加え、猛暑、地震、線状降水帯、火山噴火といった災害のニュースも耳にする。我々は複合災害に対しても備えていかなくてはならない。